KEV(Known Exploited Vulnerabilities)カタログの活用

PentaTrail編集部··3分で読める
目次

KEVカタログとは

KEV(Known Exploited Vulnerabilities)カタログは、米国 CISA が運営する 実際に攻撃で悪用が確認された脆弱性 のリストです。CISA は Cybersecurity and Infrastructure Security Agency の略称です。2021 年 11 月の開始以降、継続的に更新されています。

CVEデータベースに登録された脆弱性は20万件以上ありますが、KEVカタログに掲載されるのはそのごく一部(2024年時点で約1,100件)です。つまり、KEVに掲載された脆弱性は「理論上の脅威」ではなく「現実の脅威」であることが確認されています。

KEVの掲載基準

KEVカタログに掲載されるためには、以下の3つの基準すべてを満たす必要があります。

1. CVE-IDが割り当てられている

脆弱性に正式なCVE識別子が付与されていること。

2. 実際に悪用されている確証がある

攻撃者がこの脆弱性を実際に利用していることを示す、信頼性の高い証拠が存在すること。単なる概念実証(PoC)の存在だけでは不十分です。

3. 対策が存在する

ベンダーがパッチやワークアラウンドを提供していること。対策が存在しない脆弱性は掲載されません。

KEVカタログの項目

各エントリーには以下の情報が含まれます。

  • CVE ID: 脆弱性の識別子
  • Vendor/Product: 影響を受ける製品
  • Vulnerability Name: 脆弱性の名称
  • Date Added: KEVカタログへの追加日
  • Due Date: 米国連邦機関の対応期限
  • Required Action: 推奨される対応アクション
  • Known Ransomware Campaign Use: ランサムウェア攻撃での使用有無

KEVの活用方法

1. パッチ優先順位の最上位に

KEVに掲載された脆弱性が自組織のシステムに存在する場合、無条件で最優先の対応対象とすべきです。これらは「いつか悪用されるかもしれない」ではなく「すでに悪用されている」脆弱性です。

2. SLAの設定

CISAは米国連邦機関に対して、KEV掲載脆弱性への対応期限を設定しています。民間企業もこれを参考に自組織のSLAを定めることが推奨されます。

深刻度 推奨対応期限
KEV掲載 + Critical 48時間以内
KEV掲載 + High 1週間以内
KEV掲載 + Medium以下 2週間以内

3. サプライチェーンリスク管理

取引先やベンダーに対して、KEV掲載脆弱性への対応状況を確認することで、サプライチェーン全体のリスクを低減できます。

4. 経営報告の根拠

「CISAが悪用を確認した脆弱性が自社システムに○件存在する」という報告は、技術者以外にも伝わりやすく、経営層への説得材料として有効です。

CVSSとEPSSとKEVの関係

指標 何を測るか 更新頻度 特徴
CVSS 技術的深刻度 公開時に固定 静的、コンテキストなし
EPSS 悪用される確率 日次更新 予測ベース、動的
KEV 悪用の事実 随時追加 確定情報、最も確実

これら3つを組み合わせることで、脆弱性の真のリスクを多角的に評価できます。

PentaTrail での KEV 統合

PentaTrail/CTEM は発見した脆弱性を KEV カタログと自動照合します。KEV に掲載された脆弱性が検出されると、脅威ディスカバリレベル(TDL) を 1 段階引き上げる KEV ブースト が働き、TER バンド でも上位(S または A)に押し上げられます。ダッシュボード上では即座にアラートとして表示されます。

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