EPSSとは:悪用確率スコアの見方と、CVSSとの使い分け

PentaTrail編集部···3分で読める
目次

EPSSとは

EPSS(Exploit Prediction Scoring System) は、FIRSTが提供する脆弱性の悪用予測スコアリングシステムです。各CVE脆弱性が今後30日以内に実際に悪用される確率を、0〜1(0%〜100%)で表します。

CVSSが脆弱性の「技術的な深刻度」を測るのに対し、EPSSは「実際に攻撃に使われる可能性」を測ります。この違いが、脆弱性管理の優先順位付けを大きく変えます。

なぜEPSSが必要なのか

まず、脆弱性の数が多すぎます。2023年に公開された新規CVEは約29,000件、2024年はさらに増え、毎月2,000件以上が報告されています。すべてに対応するのは、物理的に不可能です。

そのうえ、CVSSの深刻度だけでは絞り込めません。CVSSがCritical(9.0以上)でも、実際に攻撃に悪用されるのは、そのうちのごく一部です。逆に、CVSS Mediumの脆弱性が、大規模な攻撃キャンペーンで使われることもあります。

リソースは有限です。EPSSを使えば、「本当に悪用される可能性が高い脆弱性」に、限られた人手を集中させられます。

EPSSの仕組み

EPSSは機械学習モデルを使い、次のような要素からスコアを算出します。

入力データ

  • 脆弱性の特性: CVSSベクトル、CWEタイプ、影響を受ける製品
  • 悪用情報: Exploit-DB、Metasploitなどの攻撃コードの有無
  • 脅威インテリジェンス: ダークウェブでの言及、攻撃ツールへの組み込み
  • 時間的要素: 脆弱性公開からの経過日数

スコアの特徴

  • 日次更新: 新たな脅威情報に基づき毎日再計算
  • 確率値: 0.0(悪用されない)〜 1.0(確実に悪用される)
  • パーセンタイル: 全CVEの中での相対位置

EPSSスコアの読み方

EPSSスコア パーセンタイル目安 対応指針
0.9以上 上位0.1% 即座に対応(攻撃がほぼ確実)
0.5〜0.9 上位1% 緊急対応
0.1〜0.5 上位5% 早期対応を推奨
0.01〜0.1 上位20% 計画的に対応
0.01未満 下位80% リスクベースで判断

CVSSとEPSSの組み合わせ

CVSSとEPSSを2軸で評価すると、脆弱性を4つの象限に分類できます。

高CVSS × 高EPSS → 最優先

技術的に深刻で、実際に悪用される可能性も高いものです。即座に対応します。

高CVSS × 低EPSS → 計画的対応

深刻ですが、悪用される可能性は低いものです。パッチサイクルで対応します。

低CVSS × 高EPSS → 要注意

深刻度は低いものの、攻撃者に狙われています。侵入の足がかりになりえます。

低CVSS × 低EPSS → モニタリング

現時点では低リスクです。定期的に再評価します。

PentaTrail での EPSS 活用

PentaTrail/CTEM は発見した脆弱性に CVSS と EPSS の両スコアを表示し、両者を組み合わせた 脅威ディスカバリレベル(TDL) を算出します。さらに KEV ブーストや BI スコア と組み合わせて TER バンド を決定し、「本当に今対応すべき脆弱性」を即座に判断できます。

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