セキュリティスコアとは?PentaTrail の 400 点満点モデルで攻撃面を可視化する

PentaTrail編集部···6分で読める
目次

セキュリティ態勢を1つの数値で表す指標は、業界では0〜100の単一スコアが一般的です。ただし単一の数値だと、下がったときに何が悪いのかが読み取れません。

PentaTrail の総合スコアは400点満点で、脅威・管理成熟度・対応状況の3軸に分かれ、内訳を常に併記した形です。

01 / 総合スコアは、3 つの軸を足した 400 点

配点は脅威が200点、管理成熟度が100点、対応状況が100点です。内訳が横に並んでいるため、総合点が動いたときにどの軸が効いたのかを読み取れます。

総合スコアを構成する3つの軸の図。脅威が200点で検出された脆弱性のリスク総量、管理成熟度が100点でアセット情報の整備度、対応状況が100点で対応プロセスの健全性、合計で400点満点になる

図1:3 つの軸と配点

深掘り:ダッシュボードでの見え方

Executive Dashboard の上部には、総合スコアと前週比とトレンドラインが並びます。更新は週次で、過去の週へも切り替えられる作りです。

Executive Dashboard 上部の総合スコア表示。週ラベル、AI 生成サマリー文、総合スコア(400 点満点)、前週比、トレンドラインが並ぶ

02 / 脅威スコアは 200 点から始めて、3 種類の減点を引く

未対応の所見をTER バンドでホスト単位に集計し、その結果をベース点から引いていきます。引くのは S の広がりと、S の積み上がりと、KEV 該当の3つになります。

脅威スコアの計算の流れの図。200点を起点にAバンドとBバンドのホスト比率でベース点を出し、そこからSホスト減点と、S件数減点と、KEV減点を引いて脅威スコアにする

図2:ベース点から 3 種類を引いて脅威スコアにする

深掘り:ベース点の出し方

ベース点の求め方は、最も重い未対応バンドが A のホストを重み 0.5、B のホストを重み 0.1 で数え、アクティブなホスト総数で割った比率を 200 点から差し引く形です。S バンドのホストは別枠の減点で扱うため、ここには入りません。C と D のホストはベース点を動かしません。

ベース点 = 200 × (1 − (A ホスト数 × 0.5 + B ホスト数 × 0.1) / アクティブホスト総数)
脅威スコア = max(0, min(200, ROUND(ベース点) − S ホスト減点 − S 件数減点 − KEV 減点))

03 / S の広がりと、S の積み上がりは、別々に数える

1件の重大な所見が10ホストに広がっている状態と、10件が1ホストに集中している状態では、攻撃面としての意味が違います。だから減点の軸も2本に分けました。

Sバンドの広がりと積み上がりを別々に減点する図。1件が10ホストに広がる場合はSホスト減点150でS件数減点0、10件が1ホストに集中する場合はSホスト減点60でS件数減点10になる

図3:同じ「S がある」でも、広がり方で減点が変わる

深掘り:2 つの減点表

S ホスト減点は、S バンドの所見を持つホストの数(一意)で段階的に効きます。1台で60点、2〜3台で110点、4〜10台で150点、11〜30台で180点、31台以上で200点です。

S 件数減点は、S に分類された所見の件数(一意)で効きます。5件までは0点、6〜20件で10点、21〜50件で25点、51〜100件で50点、101件以上で80点となります。

KEV 減点は、KEV 該当の未対応所見1件につき5点で、上限は40点です。

04 / 管理成熟度は、3 つの率をそのまま点数にしたもの

グルーピング率に40点、アセット分類率に40点、責任者アサイン率に20点が上限として割り当てられ、各率の達成分だけ点が入ります。主役は重み 0.4 の2つで、責任者アサインは補助です。

管理成熟度の3つの率と配点の図。グルーピング率が最大40点、アセット分類率が最大40点、責任者アサイン率が最大20点で、合計100点になる

図4:3 つの率と、それぞれの上限

深掘り:率がそのまま比例して入る

各率が 100% なら満点、50% ならその半分が入ります。たとえばグルーピング 100% / アセット分類 70% / 責任者 50% なら、40 + 28 + 10 で 78 点となります。

アセット分類率が数えているのは、BI スコアの3タグ(purpose / data_classification / availability)のうちいずれか1つ以上が付いたホストの割合です。3つ全部を求めてはいません。責任者アサイン率だけはホスト単位ではなくグループ単位の勘定です。

05 / 対応状況は、判断した割合から期限超過を引いた残り

対応判断率から、S の超過率を重み 0.5、A〜D の超過率を重み 0.15 で引きます。「検出はできているが対応が止まっている」状態が、ここに出ます。

対応状況スコアの計算の図。対応判断率からS超過率の0.5倍とABCD超過率の0.15倍を引き、下限0で対応状況スコアにする。例として判断率80パーセント、S超過率40パーセント、ABCD超過率20パーセントなら57点になる

図5:判断率から 2 つの超過率を引く

深掘り:「対応済み」と「完了」は別の状態

対応済みは担当者が修正したと申告した段階で、次回スキャンでの確認待ちのため母集団からはまだ消えません。完了はスキャンが実際に解消を確認して、タスクが自動的に母集団から消えた状態です。対応判断率は対応済みまでを「判断した」と数え、完了は集計対象そのものから外します。

生きたタスクが1件も無い場合は、情報レベルを除く未対応の所見も0件なら満点、そうした所見が残っていれば0点になります。タスクを対応不要にするだけ、あるいは放置するだけでは満点にならない作りです。

Executive Dashboard の管理成熟度と対応状況 2 軸の内訳。各指標の進捗バーと数値、AI が生成した CISO 向けインサイトが並ぶ

06 / 総合点が下がったら、どの軸が引いたのかを内訳で見る

3軸のどれが落ちたかで、打つ手が変わります。脅威なら S・A の件数、管理成熟度なら整備、対応状況なら滞留がそれぞれ効いています。

総合スコアが低いときに3軸のどれを見るかの図。脅威スコアが低ければTERマップで集中している領域を特定し、管理成熟度が低ければグルーピングとアセット分類と責任者アサインを進め、対応状況が低ければ対応判断かリソースの再配分を検討する

図6:低い軸ごとに、次の一手が変わる

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付録:減点表と、総合スコアの読み方

表1:S ホスト減点(影響範囲)

S バンドのホスト数 減点
0 0
1 −60
2〜3 −110
4〜10 −150
11〜30 −180
31 以上 −200

表2:S 件数減点(累計件数)

S バンドの所見件数 減点
0〜5 0
6〜20 −10
21〜50 −25
51〜100 −50
101 以上 −80

表3:3 つの軸と評価指標

配点 意味 主な評価指標
脅威 200 点 検出された脆弱性のリスク総量 TER バンド(S/A/B/C/D)の件数と分布
管理成熟度 100 点 アセット情報の整備度 グルーピング率、アセット分類率、責任者アサイン率
対応状況 100 点 対応プロセスの健全性 対応判断率、S 超過率、ABCD 超過率

表4:総合スコアの色分け

総合スコア 評価 表示色
320〜400 優良
240〜319 良好
0〜239 要注意

表5:脅威スコアに流れ込む観測指標

種類 見ているもの
SSL/TLS 設定 証明書の有効期限、TLS バージョン、暗号スイート、HSTS
公開ポート・サービス 不要ポート、古いプロトコル、外部公開された管理画面
脆弱性 既知の CVE、パッチ適用の遅延、ソフトウェアバージョン
DNS 設定 SPF / DKIM / DMARC、DNSSEC、ゾーン転送制限
情報露出 エラーメッセージ、ディレクトリリスティング、バージョン情報、不要な HTTP ヘッダー

対応期限は TER バンドごとに決まっていて、S が7日、A が14日、B が21日、C が28日、D が35日です。詳しくは脅威エクスポージャーリスクにあります。

本文と表の値は、2026年8月17日に PentaTrail の算出処理そのもの(asm_get_executive_score)と画面側のしきい値を参照して確認したものです。

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